「大丈夫か?」

「へ…?」

「辛そうだけど」

「大丈夫。辛くなんかナイよ…」

心の中ではものすごく辛くて…。

「西藤陸のコト巻き込んじゃってごめんね…」

「陸でいいよ」

「えっと…」

「フルネームで呼ぶな」

陸…陸……陸……ッ


頭の中で何回も練習してから…。

「えっと、り、陸…?」

「良くできました」



あたしは犬かっ。

「寒いね…」

さっきの部屋に上着おいて来ちゃった。