真美に睨まれて、西藤陸の胸に顔を埋めるあたし。


洸太くんはそれを見て、「詩音」とあたしの名前を呼びながら近づいてくる。
あたしはそれから逃げるように西藤陸の後ろに隠れた。


「詩音…ゴメン」

「……なにが…ゴメンなの?」

隠れながら言うと洸太くんがあたしにまた「ゴメン」と言う。


「だから……」

あたしはそこで言葉を詰まらせる。

辛い。

西藤陸はあたしがいやがっているのを悟ったのか、カラオケ店から出た。