そして‥




チャリッ



俺は正樹に、自分のキーケースを投げる。

正樹は、投げたキーケースを受け取った。





「俺の車で待ってて」



正樹に笑顔でそう言って、俺はマンションの外の自動販売機に走って行く。

小銭をポケットから出して自動販売機に入れ、缶コーヒーを二つ買った。




ガタンッ…


缶コーヒーを二つ手に持ち、駐車場までとぼとぼ歩く。





キーケースを正樹に渡したし、

帰ることはねぇよな?


しかもあのキーケースは、今年の俺の誕生日に、志乃からもらったやつだって正樹は知ってるから、

その辺に捨てる事もないよな?