そんなことをしていると‥
正樹さんがムスッとして立ち上がり、玄関で靴を履いて出ていってしまった。



「……うぅ‥…」


夏莉は涙を手で拭っている。

私は夏莉の隣に座り、夏莉の背中を摩った。




「はぁ…俺ちょっと行ってくっから、夏莉の事頼む」


龍美が私の頭を撫でる。




「うん、わかった…」



私が頷くと龍美は玄関でサンダルを履き、家を出て行った。

私はゆっくりと閉まるドアを見つめながら、夏莉の背中を摩る。



夏莉・・


本当はあんなこと…

これっぽっちも思ってないんだよね?