カリカリ‥


リビングのテーブルで、真剣に数学のプリントをうつす私。

ちらっと夏莉を見ると…
私の隣でイライラしながら、アイスコーヒーを飲んでいる。



どうしたんだろう…

何かあったのかな…?




「志乃」



ビクッ――――!!

夏莉が私の顔を覗き込んでいる。





「ななな、なに?」

「プリントの字、読みにくくない?あたし字汚いからさ…」

「え、ううん全然!夏莉、字汚くないじゃんっ」

「……そ♪ならいーけど」



夏莉は私に笑顔を向け、カバンからリップを出し‥口に塗り始めた。