「‥全然わかんね」


ズル(汗)

テーブルについていたひじが、ズルッとズレてしまった私。

龍美は数学のプリントを私の前に戻し、吸いかけのタバコを灰皿から取って口にくわえる。




「全然わかんねえし。そのプリントの問題作ったやつ出て来いよ!」



キレ出した龍美。

私はため息をひとつついたあと、プリントをまた眺める。





「あ、そーだ!正樹に教えてもらえよ」

「えっ?」


龍美がひらめいたように言う。



正樹さんに?


「あいつエロいけど、一応教師目指してるんだし、高校生の数学なんて楽勝だろ?」