「椎名冷たッ」


耳元にかかる息と近くに感じる声にあたしの耳は一気に赤く染まったと思う。


『なっ・・・』


そう。
あたしは小川に腕を引っ張られそのまま小川のいるベッドの中へ入れられてしまった。


そしてベッドの中であたしは後ろから小川に抱きしめられているような状況。


・・・なんで、こんな事に!?


いくら彼女とは言え、こんな状態は恥ずかしすぎる!


というか緊張する!!


「何?緊張してんの?」


いじわるな声があたしの耳元に聞こえてくる。


『緊張なんか・・・ひゃあ!?』


いきなり耳元に甘い息を吹きかけられ、変な声を出してしまった。


「うわ、可愛い反応だね♡椎名ちゃん」


・・・ダメだ、この状態は。

・・・ベッドに2人って。


このままだと大変なことされちゃうかもしれない。


そう思い、逃げ出そうとは試みたけど小川のがっしりとした腕からは逃げられなかった。


『離せ~~!』


「ヤダ。離したら逃げちゃうもん」


『当たり前でしょ?離せ~~~』


でも小川はあたしを包む腕の力を少しも緩めず、あたしは逃げられないまま。

そして小川の意地悪な笑い声が耳元に入ってきて、また息が耳に当たって恥ずかしくなる。