「でも、何?話してみて、一目ぼれしたんけ?」
「いや…… ようわからんけど。大雅がいきなり私の傘奪って行った時に、動けんくなった。なんかわからんけど…… 大雅のこと、頭から離れへんかった」
「それを、恋ってゆーんやろ?」
俺様口調は今まで通りやけど、あんなわけわからん大雅じゃない。
これがほんまもんの城之崎大雅や。
「恋なんやろな」
「せやで。杏奈と俺は運命の赤い糸で結ばれてんねんから」
キザなこと言うなぁって思うけど、大雅が言うとかっこええねん。
不思議やけど、ほんまにそうかなって思えてくる。
運命の赤い糸?
結ばれてるんかな。
大雅の小指と私の小指が……
「杏奈、なんで今日ここへ来た?食べられたかったん?」
「ちゃうわ!わからんけど、大雅と話したかった。大雅に会いたかった。大雅にただ会いたいから、ここに来た」
「俺に食べられてもええと思ったん?」
真剣な表情にドキドキする。
「それは思わんけど。だって、あんたの周りの数多くの女子と一緒にはなりたくない」
「誤解すんなや。俺の初体験は、杏奈に捧げるって決めてんやから」
感動する。
大雅、実はめっちゃ誠実で奥手で、エロいフリしてるだけで純粋男やったんや。