「で、電話!」

「ん?」

「電話……待ってっから」

「ありがとう」

彼女は嬉しそうな声でそう言って、最後に「よいお年を」と言い残して電話を切った。

待ち受け画面の戻ってしまったケータイをじっと眺め、溜め息が漏れる。

「ん?」

彼女との通話中にメールが届いていたらしい。先ほどまでなかったはずの、メールの着信を知らせるマークが待ち受け画面に出ていた。

メールを開いてみる。

それは内藤から高校の仲間5人に向けての、一斉送信メールだった。タイトルには、号泣しているような顔の絵文字が使われていて、一行目から『フラレたぁ~』とある『残念なメール』だ。

主な内容は、自ら『内藤くんを励ます会』と銘打って、大晦日~元旦に集まって男同士で馬鹿騒ぎする6人恒例の新年会の召集メールだった。