賭けを決めた次の日、早速のように「変な病気をもらったら困るから」と、内藤がコンドームの6個入りを1人1箱ずつ配って、皆を大ウケさせた。

「つーか、せいぜい2、3個でよくね?」

「お前どんだけヤル気だよ!」

「いいから持っとけ! いいか! 必ずつけろよ!」

賭けを切り出したのは内藤のくせに、変なところで真面目なのだ。

俺たちは『お守り』にそれを携(たずさ)え、人妻をゲットするべくそれぞれ街に出た。

浩二は手っ取り早く出会い系サイトに手を出し、内藤と谷は人妻合コンに参加した。

しかし出会い系は『サクラ』ばかりだったらしいし、合コンもその場では盛り上がっておきながら『その後』を誘うと、軽くあしらわれたようだ。

俺と同じく町中で声を掛けたヒサは、横からヤバイおっさんが出てきて、危険な目にあったと、それはそれで武勇伝のごとく得意気に語っていた。

日高はすっかり後輩の女に入れ込んでしまい、賭けには参加しなかった。

結果は俺の一人勝ちだった。