いつものように隣の駅まで電車で行き、大通りでエリナが俺を拾う。そこからすぐのホテルに入り、セックスを楽しむのがエリナと会うときのお決まりのパターンだった。
はじめてのとき、ちゃんとしたホテルの部屋を取ると言ったエリナに、どうせやることは一緒だからと、そのときたまたま目に入ったラブホテルに入ろうと誘った。
ホテルは比較的目立つ場所にあるが、旦那はこっちの方にはほとんど来ないし、六本木のエリナのマンションからも離れているので、知り合いに会うこともないという安心感もあり、結果的にエリナにとっても都合がよかったようだ。
ホテルに入っても俺の気持ちは晴れなかった。
彼女のことを考えながら、平気で別の女を抱こうとしている。そんな自分を情けなく感じ、はじめて女を抱くことを躊躇していた。
「ゴウくん、会いたかった」
俺の気持ちを知る由もないエリナは、部屋に入ると息つく暇もなく激しいキスを浴びせてきた。
キスを繰り返しながら、待ちきれないと言うように俺のベルトのバックルを外し、ジーンズに手をかけてくる。