23回目……
「ただいま電話に出ることができません」
彼女を泣かせてしまったあの日から、1週間が過ぎようとしていた。
あの日以来、彼女は俺からの電話に出ない。
「なんで出ないんだよ……」
はじめの数回はメッセージを残しておいた。
しかし、彼女からの電話はなかった。
いつもなら電話をすると、待ちかまえていたかのようにすぐに電話を取ってくれていたのに……とても嬉しそうな、弾んだ声で。
あの日の彼女の泣き顔が、目に焼き付いて離れない。
気持ちが落ち込み、深いため息が漏れる。
と、突然ケータイが電話の呼び出し音を鳴らす。
彼女か!?
心臓が大きく反応する。