「時間、気になる?」

「あ、ごめんなさい。そんなことは」

「今日帰んの?」

「え?」

「泊まっていきなよ」

俺の言葉に彼女は少し困った顔をして、体の向きを変え俺の前に正座し

「元くん、私……」

と、真面目になにかを切り出そうとしてきた。

心臓が大きな音を立てる。表情からして先ほどの別れ話に違いなかった。

「俺から離れる話なら聞かねぇ」

彼女の話を聞きたくなかった俺は、再び彼女の言葉を遮った。

「聞いて欲しいの」

「聞きたくねぇよ……今は」

「……」