「なぁ」

「ん?」

「会いたい」

真っ直ぐな気持ちを言葉にしたら、何故だか急に不安が襲った。

この電話は結果報告だけなのかもしれない。

離婚が決まり心が穏やかな状態になった今の彼女は、俺の支えなど必要なくなっているかもしれない。

もう俺に会ってくれないかもしれないと……

「すげぇ……会いたい」

俺は不安な気持ちを押し隠し、心の底から絞り出すようにもう一度同じ言葉を口にした。

すると、

「私も」

と、彼女の笑みを含んだ声が、俺の耳に届いた。