しかし、その日を境に旦那の態度が豹変した。

穏和だった旦那と同じ人物とは思えないほど、上から目線で物を言うようになり、少しでも機嫌を損ねると、あからさまな舌打ちや、無視、わざと凄い音をたててドアを閉めるなどして、陰険な態度で彼女を攻撃した。

一番理解して欲しかった人が、一番の『攻撃者』に変わったのだ。

旦那は彼女に対して予定を明かさなくなり、食事が必要なのか、帰って来るのか来ないのかも分からない状況で、彼女はひたすら旦那の帰りを待つ生活を送らされていた。

万が一旦那が「食べる」と言ったときに食事が用意されていなかったりすると「使えない女だ」と罵られる。それが恐くて、食べるかどうかも分からない旦那の食事をこの6年間ずっと作り続けてきたのだそうだ。

それまで隠していた恋人の存在も、旦那は堂々と口にするようになった。堂々と恋人の家に泊まり。平気で恋人を抱いた話をする。

あまりの辛さに「離婚して欲しい」と言ったこともあるそうだが、逆に

「お前の父親に頼まれて子供も産めない女を貰ってやったんだ。お前が嫌になったから離婚なんて、そんな勝手が通ると思っているのか!」

と、それは凄い勢いで責められたらしい。