「え……?」

「私は……子供ができないの」

彼女の衝撃的な言葉に背筋が凍りつく。

「子供ができないって……だってあんた…15のとき」

「そのときの後遺症で」

「う、嘘だろ?」

俺の問いかけに、彼女は泣きながら黙って首を横に振った。

妊娠していたのは彼女ではない? 

しかも彼女は子供ができない?

「俺……」

俺はなにをしていた? 

彼女になにをした?

勝手にショックを受けて、その気持ちを紛らわすために櫻井を抱いて。

そのことを当てつけるように彼女にチラつかせて。

彼女のことを責めて……

「俺は……」

彼女に対する罪悪感が一気に押し寄せ、息苦しくなり、体が震えだした。