「いいよ、別に。ちょっとコンビニに行ってただけだから」

「そう……ごめんなさい」

不機嫌な表情で言葉を返すいつもとは明らかに違う俺の態度に、彼女は戸惑っていた。

「いいって言ってんだろ。寒(さみ)ぃし部屋行こうよ」

彼女の表情が暗くなっていくのを感じながら、俺は彼女も待たずにさっさと自分の部屋に向かって歩き出した。

「入れよ」

遅れて上がってきた彼女を部屋に通す。荒れて散らかしたままの部屋を見て、彼女は一瞬たじろいでいた。

「どうしたの!? 部屋が」

「昨日すげぇショックなことがあったから……」

俺はテーブルの上に置かれた二つの袋を手に取りながら言った。

「もう大丈夫なの?」

「まぁな」

重苦しい沈黙が訪れる。