涙が落ち着いた後、気持ちを紛らわすようにシャワーを浴び、冷たい水で顔を洗った。泣いて真っ赤になった目は、少し腫れぼったいが赤みは引いた。
風呂から出て、冷蔵庫にあった最後のビールを一気に飲んだ。
しかし、いくら一気飲みしたからといってこんな気分では酔えるわけもなく、気付けば酒を求めてバイト先のコンビニへと足を向かわせていた。
あまり酒は強くない。もう2、3本も飲めば気も紛れるに違いない。
コンビニの手前でふいに名前を呼ばれた。
「今、バイト上がったトコなの。向井くん買い物?」
櫻井だ……
「まぁ」
「明日は一緒に入ってたよね?」
「……うん」
……1人は寂しい。
……1人は寂しい。