泣いたらますますカッコ悪(わり)ぃ。そう思っても、涙は止まらず……抑えようと思いながらも、子供みたいに声を漏らして泣いた。

人妻に本気になったら馬鹿をみる。そんなことはじめから分かっていたはずだった。

彼女に子供ができるかもしれないことぐらい考えれば分かることだったのに……

彼女が泊まった、夢のような2日間。

俺を好きだと言ってくれた彼女の声。

彼女を抱き締めたあの感覚。

彼女のか細い体。

彼女の甘い香り。

たくさん、たくさんキスをした。

唇が彼女に触れるたびに、心が震えた。

彼女がつけた胸元のしるし。

夢なんかじゃないという証明……