「…ありがとう。千夏」

千夏の大告白に返された京平の言葉はとても短かった。

京平はきっと、
千夏の告白の意味を正しく理解していない。

千夏の<好き>は
京平の<好き>とは違う。

そのことを京平は一生かかっても気がつくことはないだろう。

でも、それでも千夏はずっと言えなかった気持ちを言えただけですっきりした。

「どんどん食べろ。食べて、元気な赤ちゃん産め」

そう言って京平が笑った一週間後、
千夏は元気な赤ちゃんを産んだ。