「真美ちゃんはまだ若いから良くわかってないけどモデルの仕事ってきれいごとばっかりじゃないのよ」「真美ちゃんにはそんなことはさせないけど」「そうなんですか」（少し真美はがっかりしてしまった）結構汚い世界だったんだ、私のいる世界って
きれいになれて写真をとってもらえる、そう単純に思ってモデルの世界に飛び込んだ真美にとってそれはあまりにもショッキングな光景だった。
目を覆いたくなるくらいショックだった。「大人になればいろいろあるのよ」「真美ちゃんにはまだわからなくてもいいのよ」「お仕事さえキチンとしてくれれば」「ギャラはちゃんと渡すしね」そう雅さんは話した。
「そうですね、今日ここでみたことは忘れます」「そうして頂戴、事故かなんかだと思って頂戴ね」「はいわかりました」
「これからまたロケ先行くから早くしたくして頂戴」「今日はこれに着替えて」
「はい」そう手渡されたのは、目が覚めるような真っ赤なドレスだった・・・「あの今日はどんな撮影なんですか？」（ドレスで撮影？）「今日は女優さんになってもらうわ」「ペアを組んで男性のモデルさんもいるのよ」「えっ」男性のモデルさん？ですか」「うん男性のモデルさん」「なんだか始めての経験なんですけどうまくいくのかな」「それから少し絡んでもらうわ」「絡むって、あの・・・どういう風に」「まあ現場行ったらわかるよきっと」「そっか」現場いったらわかるか・・・・・
企画としては白い、最新式の電動式自動車の助手席に乗ってもらってその車から降りるところを撮影するって。シャンパングラス片手に・・・
「へえーなんだかすごく手の込んだ仕事ですね」「そうだね、一応今迄では一流のお客様よ」一流かあ・・・・まだデルをやりだしてやっと２ヶ月なのに一流の会社からオファーが来たんだ。「なんだかまた緊張してきちゃった」「大丈夫よいつもどうりやればいいからね」「はい」