偶然の再会、本当に偶然だった。ものすごいふるい恋愛小説みたいな出会いだな。われながら真美はそう思った。しばらくマスターと会話していた「ここの近くなんです学校」「そうなんですか」「ずっとなんだか貴方に会いたかった」そういってしまった、とっさのことだったどうしてそんな言葉が出たのかわからない。「僕も連絡を待っていました」(あのとき不思議なことをいう人だと思ったんですよ、連絡くださいなんて)「あの手帳のメモあなたでしょ?」(うん、感じいい人だったからまた会いたいと思ったんです)「それだけ?」「そうそれだけ」(深い意味はないですよ)
ジャズ、ナットキングコールが流れていた・・・・・・「ジャズお好きなんですか?」
「うん、ジャズ好きだよ聞いてるのは全部ジャズだよ」「高校生のころにはまってねそれいらい、ここのジャズバーをやるの長年の夢だったんだ」「そうなんですか・・素敵ですね」真美はジャズの知識なんてなかったけどここちよいジャズの音楽に酔いしれていた。しばらく友達の映子とひとしきり話してから騒いでカクテルを4杯飲んで店を出た、「また必ず来ます」「今日はおいしい料理と音楽ありがとうございました」「お休みなさい」「お休み」帰り道、2人とも上機嫌だった・・・・ほろ酔い加減、ジャズの音楽もとても素敵だった。「映子が好きだって言ってたマスターってアノ人のこと?」
「そうだよ開店前に店の前に何度も来ていてみそめちゃったの」「確かに渋いよね・・素敵だと思う」そんなことを話しながらよった足取りで途中映子と別れて帰ってきた。
なんだかすごくまた会えたのがうれしくて、ぐっすり眠れたんだ。
翌日、またあの例の裕子という子にゼミであった、「こんにちは」いつも向こうから声をかけてくる。「こんにちは」「今日は早いんですね」「午前中のほうが頭さえてるから」「今日はテストの日ですよね」「そうですね、勉強やってきた?」「はいあまり頭に入ってないけどがんばってきた」「そっか」そんな会話の後席についた・・・・・・
テストの結果は上出来だった、最近うれしいことが続いているから元気になれている。
一年前彼と別れてからはぼろぼろだったんだけど、あのジャズバーの影響で今家で真美はジャズを聞いている。なんとかマスターに近づきたい、そういう思いだった・・・。