次の日、会社に状況を説明して休みをもらった。


ニュースでも流れていた。

そして家にはワイドショーの記者なども来ていて、週刊誌の記者も会社に来ているらしい。

確かにこういうニュースはワイドショーや週刊誌の格好のネタだろうし。

でもそのへんは会社の人や慎吾がうまくやってくれているらしい。


かなり恵まれているな、俺。


病院にいる悠嘉は寝たままだった。

昨日と変わらない。


でもそこに香織ちゃんの親がいた。

会ったことはないけど昨日泣いている姿を見たから覚えている。

向こうはプリクラや写真で見たのか香織ちゃんと付き合ってるのは俺と知っているとばかりに見た瞬間こっちに向かってきた。


絶対怒っているだろう、当然だ。

ひたすら謝るしかない。

そして本当のことだって話そう。

何発か殴られるのだって我慢して耐えよう。


そう思っていた時だった。


「今回は・・・香織があなたに多大なご迷惑を・・・ッ」

と涙を流しながら父親らしき人が言ってきた。


「あ・・いえ・・。俺こそ止めることが出来ず・・・すみませんでした。」


「警察から事情は聞きました。本当に申し訳ありませんでした。本日は死亡診断書のことで来ていてあなたが来るならと思い待っていました。葬儀等は密葬ですがよろしければ来られて下さい・・・。」


その後場所とかも俺に告げ、ペコッとまた頭を下げ父親は去って行った。

予想外だったが事情を知っていて助かったというのが俺の想いだった。



でもまだ・・実感がわかない。

昨日あんなに涙を流しても・・香織ちゃんが死んでしまった、そして悠嘉が意識不明の重体だなんて思えない。

いつもとあまりに様子が変わりすぎているから当然なのかもしれないけど考えられない。


でも・・心の中はからっぽだ。

俺にどうすることもできないっていうのが1番辛い。