だが、そんなわけにもいかない。


俺のそばに歩み寄ってきた2人の男。

警察だ。



俺はありのままを全て話した。


家に帰ると悠嘉が倒れていて、香織ちゃんが包丁を持っていた。

そして俺が悠嘉に触ろうとすると包丁を振り回し、その後目の前で・・・・。



警察もだいたい分かっていたらしく、また後日と言われた。

どうやら俺が2人に何かしたんだとは疑ってはなかったようだ。


もう、どうだってよかったけど。

疑われて捕まれば、周りから逃れられる気もしていたし。



これから先のこととか考えるとお先真っ暗もいいところだ。






そして医者に告げられた言葉は香織ちゃんは亡くなったということだ。

首をスッパリいっていたらしい。


近くには香織ちゃんの親がいるらしく、声が聞こえていた。

今までに会ったことはないのだが、今、両親と顔を合わすことなんて更に出来るはずがなく、ずっと隠れていた。


俺のせいで香織ちゃんはこんなふうになってしまったのだから。





悠嘉といえば、傷はそこまで深くなかったらしく助かったらしい。


だけど・・・最初に頭部を殴られていたらしく、そこもすごくヒドイということを伝えられた。

そして悠嘉には連絡するような家族がいないとも告げられた。



彼女は天涯孤独な生活を送っていたらしい。


今となればどうでもいいが、俺の立てた仮説は間違っていたらしい。

悠嘉の名前だって本当だった。

いや、そんなことはもうどうでもいいんだ。