最初に場所をつげていたこともあって救急隊員は数分後に俺の家に来てくれた。


ただ、負傷者は1名と言っていたので1名だと思っていた隊員は、2人の無残な姿に驚き慌ててどこかへ連絡をしていた。


その間ずっと考えていた。

今思えばなぜあのときに2人の息を確かめたりしなかったんだろうと思う。

でも出来なかったんだ。


俺の身体は完璧に硬直してしまって脳だけ動いていたから。



なぜ・・こんなことになったんだろう。

もっとヒドイ男はいるだろう??

俺は香織ちゃんと付き合っていただけだったろう??



でも・・・俺のせいだ、全て。


俺と関わったから彼女らはこんなになってしまったんだ。




どうして・・こんなことになったんだよ。



そして俺も言われるがまま誘導され救急車へ乗り込んだ。


そして運ばれた大きな病院では手術が行われていたようだった。


俺はただ1人、誰もいない病院の隅に置かれたベンチに座っていた。

もうこの頃は無心だったと思う。




1人になりたかった。