忘れなきゃいけないんだろうか。

何で涙ながらにごめんね。と書き部屋を後にしたんだろうか。

どうして出ていかなきゃいけないことがあったんだろうか。



「おい、思いつめた顔してんなよ。フェアリー行くぞ。」


横から慎吾が言った。


「は??」


「どうせならフェアリーで昨日遊んでたというツバサちゃんに会えよ。」


「でもお前たった今忘れろって言ったじゃねーかよ。」


「あ?それは本心。でもどうせ無理なんだろ。最後までやってから忘れろ。」


寒空の下、俺らは男2人でフェアリーに向かった。

騒がしい街中を歩いて。





店に入るとレゲエのアップテンポの曲が流れていた。

レゲエだったりトランスだったりかなり変わる。


「ツバサちゃんお願いします。」


俺は黒服に言うとボックスに案内された。


ツバサちゃんはどうやらいるらしい。

慎吾は慎吾で目についた可愛い子を指名していた。






「こんばんわ~。ツバサです。」


そう言ってポスッと俺の横にツバサちゃんが座った。

香水の香りがかなりにおっている。



「あ、あの、俺覚えてないよね??」


そう言うと俺の顔をジーーーッと見つめてきた。