そしてまた悠嘉とすれ違いの金曜日を過ごし、休日の土日のお昼は買い物に一緒に行ったり、ちょっとした観光地に行ったりと楽しんだ。

でも夕方を過ぎれば悠嘉は仕事の準備。


「シンデレラより早く去らなきゃいけないなんて・・・」


何度も言ってた。


「悠嘉、もうシンデレラで例えるような年齢じゃ・・」


ここまで言うとすぐ悠嘉の蹴りが飛んできてすごい笑顔で


「続き、言える?」

と言われるので俺は黙り込んだ。

そして7時くらいに悠嘉は仕事へ出て行った。




悠嘉はきっと昔は色々やらかしていたんだと思う。

前にケンカしたときだって全くケガしてなかったし、たまにする口ゲンカじゃ俺は勝ったためしがないし、手を出すのも早く、ケンカを売るのも上手い。


そう、俺の聞けないこと。

それは悠嘉の過去。



付き合ってるんだから全て知りたいって言えば教えてくれるかもしれない。

でも俺らは付き合ってるとは言えない状態だ。

悠嘉がちゃんと仕事終わってから付き合いたいと言うんだから。


俺に過去を聞く権利はあるんだろうか。

そして悠嘉は話したがらないし、そして家族の話を全くもってしない。

俺が家族の話をして悠嘉に話をふってもだんまりだ。



なにか悠嘉には秘密がありそうだ。

そして言いたがらないからまた聞けない。



でも別に聞かなくても悠嘉といれたらいいかなって思い始めた。

話したくなったら、きっと話してくれるだろうし。

待とうと思った。