「へぇ~一目惚れかぁ。ねぇ、わたしのどこを??」


もう勘弁してくれよとばかりに俺は寝たフリをした。

わざとらしくスースーと寝息をつく。


「もぉっ!!絶対フリでしょ!!バカー!!」


そう言って悠嘉はポコッと俺の胸元を軽く叩いた。

それでももちろん起きたりしない。

この手の話は恥ずかしいし、これ以上、話す気はないんだ。


「もういいや!!じゃわたしも寝よーっと!!」


そう言うとさっき叩いた俺の胸元にピタッと寄り添ってきて、暫くするとスースーと寝息を奏でた。

その寝顔を目を開けてみるとすごく気持ちよさそう、そして幸せそうだと思った。

俺だって悠嘉の本心が聞けてまた幸せになれた。



そしてその後、俺も眠りについた。


まだ聞けないあの事を口に出せないまま。