「まことくん、好きよ。」


えみちゃんはまた俺の足を強く抱きしめてきた。

可愛いんだ、えみちゃんは。

いい子なんだ、えみちゃんは。


でも・・・やっぱり悠嘉じゃなきゃダメだ。


「えみちゃん、落ち着いて聞いて。」

そう言って俺に抱きついているえみちゃんの両肩をさわって俺の足から離した。


「俺は・・えみちゃんを幸せにすることは出来ないんだ。一緒にいても辛い想いしかさせないよ。だから・・一緒にいないほうがいい。」


すると涙を次々に流し始めた。


「幸せじゃなくっても・・まことくんがいれば・・・」


「片思いだよ？そんなの幸せじゃないだろ？えみちゃんは可愛いしいい子だからきっと俺より何倍もいい人ができる。保障するよ。」


「どうしても・・・一緒にいてくれないの？？」


「えみちゃんが俺を好きでいてくれてるように・・俺にも同じくらい好きな子がいるんだ。ゴメン。」


するとえみちゃんは俺の手を掴み、下におろし手を離した。