「うん・・・。俺・・」


「付き合えないって言うんじゃないよね??わたしのこと散々期待させといてそれはズルくない??」


俺の言葉を遮ってえみちゃんが言った。

強い口調、でも目には涙が浮かんでいる。

ヤバイ・・言えない。

でもこのまま言わなかったら俺は最低最悪のヘタレだ!!



「ごめん。ズルいよな。実は・・・好きな子がいるんだ・・・。」


その瞬間えみちゃんの平手が俺の頬に飛んできた。


「最低・・・。」


涙をいくつも流しながら次は何度も俺を叩いた。

そうだ、俺はほんとに最低な人間だ。

2日間で2人の女の子を泣かしてしまってる・・・。


「ゴメン、本当にゴメン。」

俺は頭を下げてそう言い、立ち上がった。

早く目の前から去ったほうがいいと思って。



「嫌・・絶対嫌!!行かないで!!まことくん、わたし・・まことくんじゃなきゃダメなの。お願い!!」


いきなりえみちゃんは俺の足に抱きついてきた。

困惑している俺をお構いなしに


「好きなの!!ほんとに好きなの!!お願い、行かないで・・・そばにいて。」


「えみちゃん・・ゴメン。本当にゴメン。」

俺は抱きついているえみちゃんを離しながら言った。

俺の足から離れたえみちゃんは下を向き、両手を下についたまま言った。