「ほらっ、もう起きないと。」


誰かが俺をゆすりながら起こす・・・・。


ん?悠嘉か??

いや・・違う!!!!


ガバッと起きたところはもちろんえみちゃんの家だった。


「起きた??まことくん、いつも6時半起きって言ってたよね?今6時だよ。」


「え?6時??あ、ごめん俺寝ちゃった。」


目の前には寝間着姿のスッピンのえみちゃんが笑っていた。

スッピンでもあんまり変わらないもんだな。


「疲れてたみたいだったしね。」


「あ、うん。じゃ、俺帰るな。ほんとごめんな。」


そう言って立ち上がり、えみちゃんの髪を軽く触って玄関に歩いた。

後ろからえみちゃんも立ち上がって俺の後ろにきたっぽい。



「まことくん、わたしまことくんのこと好きだから。」


靴を履いているとき、後ろから声が聞こえた。

ヤッといて好きだからって・・・・・

答え・・・そりゃ困るよ。


「ありがとう。ごめん、ちょっと頭整理させて。また連絡する。」


そう言って俺は外へ出た。


いや、外へ逃げた。



この逃げ切れるだろうか・・・。


車のエンジンをつけ、早朝の道を飛ばした。

もう、朝はかなり冷えるらしい。