悠嘉の作った料理は意外と美味しい。

今日のロールキャベツもこの前のえみちゃんが作ったものより美味しかった。


「わたしね、お仕事決めたんだ。」

悠嘉は箸を置き、改まって言った。


「へぇ。どこにすることにしたの??」


「やっぱりセクキャバにする。慣れてるし。でも寮に入るかは雰囲気見てから決めたいの。だからもう少しだけココに置いてくれない??」


今気付いたが悠嘉は正座をしていた。

ここで追い出すわけにはもちろんいかない。

答えは決まっている。

でも、やっぱり俺はまだ悠嘉が好きだし、セクキャバではもう働いてほしくない。

他の男とキスとかしてほしくない。


でも・・・俺は彼氏ではない。



「そっか。わかった。いいよ。」


そう言うと悠嘉は足を崩し”ごめんね。”と小さく呟いた。

このごめんね。にどういう意味が隠されていたのかはわからない。


俺の家に置いてもらうから?

俺が悠嘉のことを好きという気持ちを知ってながらまたセクキャバで働くから?



何にしろ俺に何かを言う権利はないんだ。