「悠嘉・・」


最後なんだから言う言葉あるだろう。

なのに俺は全くこの先につける言葉が出てこなかった。


ただただ、悠嘉との出会い、そしてあの日見た星空、そして抱き合ったあの日が頭の中に浮かんだ。



「真斗、ありがとね。わたし、忘れないから。」


そう言って悠嘉は俺とは逆の前を向いて歩き出した。


手で涙をこすりながら。




「悠嘉、俺も!!大好きだった。いや、大好きだ。風邪、引くなよ!!」



後ろ姿に叫んだ。

でも悠嘉は何の反応も見せず、10メートルくらい先にあったタクシー乗り場に止まっていたタクシーに乗り込んで行った。



その姿を見ていたけど、一度も俺の方を見なかった。