~真斗Side~


俺は悠嘉の話を相槌も打たず黙って聞いていた。


何と反応すればいいのかさっぱりわからない。

薬物依存症のことはあえて触れない。

いや、俺がこのことを口に出しちゃいけない。


そして悠嘉は悪くないということと、香織ちゃんがカッとなりやすかったということに今更気付いたくらいだ。


あの香織ちゃんがこんなことするなんて未だに信じられなくて悠嘉は本当のことを話しているのか??って疑問を持つほどだ。


でも悠嘉は全てを話し終えて黙っている。

俺が何か言わなくては。

でも言葉が出てこない。



「ゴメンネ・・全てわたしのせいなんだ・・・。」


「いや、違う。俺のせいだ。俺が彼女に不安を与えてなかったらそんなこと悠嘉に言わなかったはずだし。悠嘉は悪くない。俺が悪いんだ。こんなケガさせてしまって・・ゴメンな。」


俺が謝ったのが予想外だったのか悠嘉はまん丸の目を更に丸くさせた。


「ううん、わたしが悪いの。もう関わらないから・・・。真斗も今度こそわたしのこと・・忘れて?もう会わない。これが最後にしよう、わたしたち。」


なんだそれ??

あんなことになって心細いくせに何でそんなことが言えるんだろうか。

強がるのにも程があるだろう。


「できねーな。そりゃ。」


そう言うとポロポロと涙を流し始めた。

やっぱり・・・。

頑張って強がって俺のためだと思って言った言葉だったんだろ。

できないって言葉が嬉しかったのか?


「なんで・・・っ。わたしのせいなんだよ??」


その時悠嘉の手を握った。


「悠嘉、生きてて・・・・ほんとによかった・・・。」


その時不覚にも俺まで涙を流してしまった。

悠嘉の安否をいつも気にしてた俺。

香織ちゃんと付き合ってても考えてしまっていた。


香織ちゃんも大切だったけどやはり悠嘉は特別だったんだ。