座っている菜束を。
「小玲!」
彼女の肩が揺れる。
「どーしたの…こんな所で」
「…うん」
碧は、菜束の左頬が赤いことに気が付く。
そして、目が赤いことも。
「何で泣いたの?」
「…ううん」
「ね、何で俺のこと見てくんないの」
碧が菜束の左の頬に手を触れた時、菜束の目から涙が溢れ出た。
「どうしたらいいのか判んな…くて」
碧の手をそっと押し返す。
「ごめんね」
踵を返して、菜束は去ってしまった。
「こ…」
小玲。
それは続かなくて。
碧は視線を落とした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…