「綿貫も年取ったね。二日で風邪治せないなんて」
「うん…」
「…菜束ちゃんさ、その絆創膏何?」
「え…別に何も」
「嘘だ。嘘。昨日何があったんですかっ!」
莉桜は押しの強い女の子だった。
「実はその…」
「え─────────!おま、先に言ってよ!ふざけ…誰だ!」
「り、莉桜ちゃ…」
「片桐」
「だって芹沢…!」
白羽は妙に神経質になっており、煩いと莉桜に人指し指を立てた。
「じゃあ何、心配じゃないの」
「違うけど…」
「い、良いよ!私のせいなんだろうし…うん」
「…」
「心配してくれてありがと!じゃあ私戻るね!」
「あ」
菜束は音楽室を後にした。