菜束は、帰り支度をするために教室に戻った。


今まで、部活に出ていたのだ。


ガラッ。

「…誰も居ない」

それはそうなのだが。




カチャ…

ロッカーを開けた時。


ガシャン!

「…な…っ」


沢山の、剃刀が、

菜束のロッカーから、落ちてきた。






「!いった…っ」


足をそれに、

切られたのは、



無理も無いこと。


「──…」

──誰がこんな…。


怖かった。

自分の知らない相手が、

自分を傷付けようとしている。





「…何で…──」




分からなかった。