「進路希望用紙…」

今日はそれの〆切ではなかっただろうか。

「──学校に電話しなきゃ」






『お、綿貫。どうした?』

「あの…進路希望のアレって」

『あぁ、アレなら親御さんが届けてくれたじゃないか』

────…え?

「な…何て」

『音…』

ガチャン!


親が、勝手に…

「何…でそんな…」

碧は受験を反対されて、せめて進学科に進もうと思っていた。

なのに、なのに。



「…っ」





ガチャ、

「!」






父親が、帰ってくる。