ピピッ。 「…ん」 体温計の表示は、 38.5。 「…──三年四組42番綿貫碧欠席で…はい、熱が高…くて」 ガチャ。 電話を切って、ソファーに沈む。 「──ダルい…」 久々に熱なんて出した気がする。 「そうだしろにメール…」 はた、と気付く。 「…しなくていいのか」 もう一度ソファーに沈み直すと、果てしない眠気に襲われた。 甘える相手は、 家には居ないのに。 もう、何処にも 居ないのか。