幸い(?)、服はそのままだった。

 恐る恐る袖を通すと、なんとか着られる。
 ……やや胸のあたりが窮屈だけれど。

「まあ、背がちょっと縮んでるし。
 そのぶんでとんとんくらいかな」

 制服のズボンはぶかぶかなのは我慢。

 冬服のブレザーとネクタイまで付ければ。

「なんとかなる……かな?」

 ブレザーのおかげだろうか。
 体型の変化はそう目立たないと思えた。

 もちろん、本人が見れば違和感はある。

 それでも、普通にしてれば大丈夫だろう。

「もう、そう信じるしかないか……」

 髪は仕方ないので、後ろで縛る。
 髪ゴムなんて無いので、輪ゴムで。

 行きがけにコンビニで買おう。
 そう思い、ふと時計を見ると、
 既に、投稿しないとまずい時間だった。

「……やばっ」

 慌てて立ち上がる。

 本当なら、休んだほうがいい気はする。

 けれど、こんな時だからこそ。
 普通に過ごしていたい。そう思った。