なんで、こんな事になったのか。

 浮かぶ答えは、一つしかなかった。

 ――夕べの出来事。

 黒い翼の少女との出会い。
 そして、彼女に『殺された』事。

「夢じゃ、なかったんだ……」

 そんなバカか、とは思う。
 けれど、他に考えられない。

 ならばなぜ、死ななかったのか。

 なんで、女の子になったのか。

「……わかるわけないか」

 なかば自棄になって呟いて。

 悠人はそっと、立ち上がった。

 春先とはいえ、裸では冷える。
 とりあえず、何かに着替えよう。

 ただ。

「サイズ、合うかなあ……」

 心配事は、やはり尽きなかった。