一人暮らしで良かった。

 この時ほど、そう思った事は無かった。

 親元を離れて暮らし、高校に通う。

 今まで色々な思いがあったが――。


「相談、しようもないしなぁ……」


 呟いて、声まで高くなっている事に嘆息。

 あの後、恐る恐る鏡を確認してみた。

 するとやはり(?)、間違いではなかった。

 確認した限り、完璧に女の子だった。

 女の子の知識なんて、ろくに無いけれど。

「でも……、
 たぶん、間違いないんだろうなあ」

 ぽふん、とベッドに座りなおしてみる。

 体重も軽くなっているのか、反応が緩い。


「……どうしよ」


 天を仰いでも、当然見えるのは天井で。

 答えも、さっぱり出そうに無かった。