「……なぁ…お前らもそうなんじゃないの?」



『え?』



少しの間、黙って月を見上げていた浩介が話し出した。



「てゆうか恋愛てそんなもんじゃないの?


欠けてる様に見えて
満ちてるのかもよ?」



『アンタって難しい例え話しするよね。

アタシの頭じゃ理解できないよ。』


ふふっと笑う浩介は


簡単なことだよ、
と相変わらず月を見上げて、こちらは見ずに。




「満ち欠けを繰り返して、沈んだり昇ったりしながら


いつか綺麗な丸になってくもんなんじゃない?


絆って、そうやって結ばれてくもんなんだよ。」




『……やっぱりアタシには分かんないよ。』



だってアタシは
誰かと絆を結んだことなんてない。




「最初から信じ合えて、支えあえて…


…なんて逆に嘘臭いじゃん。」