…もう


これ以上は…





俺は、耐え凌ぐために握り締めていた手で


ユキの頬に触れた。



"惚れたもん負け"
まさしくそれだな、と


小さなため息を吐きながら。


『……信じてくれる?』


涙まみれの顔。


「あぁ……」


半信半疑のままに

俺はユキを抱き締めた。



「でも夜中に自分の彼女が他の男に呼び出されるのはヤダな。」



そう笑ったら



『もう、どこにも行かない。』


と、ユキも笑った。