『昔むかーし、ある所に……』


そうふざけた口調で話し始めながらも

その声は
とても悲しそうで。


『親に捨てられた女の子がいました。』


俺はユキの話しを
ただ黙って聞いていた。



"昔話し"の中に
俺が登場することはなくて

途中、それに気付いた俺はホッとしながらも



その話しの内容に
唖然とした。