手の中にある笑顔を
またそっと封筒に戻しながら


微かな手の震えに気付く。


「過去…って?」


うわずった声で。




バレる事をこんなに恐れるのは

ユキに深い傷を負わせる事が怖いから。


と…自分に言い聞かせれば、少しは罪悪感も薄れるのだが。



けれど、そんな自分への

脆い脆い建て前は

瞬時に崩れて。





失いたくない

失えない


どこへも行かないで



そんな
脳みそとは別の思いを

心が叫んでいた。