「もしもし?」



機械的な呼び出し音が途切れると同時に


受話器の向こうから聞こえる声が

俺の心臓を震わせる。



『もしもし?』


待ちわびた愛しい声に

俺も負けじと
声を乱さずに応えた。



「どうしたの?眠れなかった?」


『あぁ、暇だったから。』



そっかぁ、

そう言って黙った彼女に

少し滲んだ後悔を噛み砕きながら

無意味な質問をする。


「何してた?」