プロというのは探偵のことだろうか?

いや、もしかしたらそんな真っ当なものではなく、もっと危ないものかもしれない。

でも、どちらにしても信じられない。

私を見張るためだけにそこまでするなんて……この男はいかれている。


「それにしても、花ちゃんは自分が僕のものだって自覚がないみたいだね」

そんな自覚、あるわけがない。
事実、私はこの男のものではないのだから。

だけど男はさっきまでの不気味な笑みを捨て、怒ったような顔になり手首を掴む力もさっきからだんだんと増している。


このままでは、危ない。

今まで生命の危険なんて感じたことはなかったけれど、私が今感じているものは紛れも無くそれだった。

何とかしなければ。
そう、視線だけを横にずらした瞬間。


「だから、わからせてあげるよ。君は僕のものだって」


耳元で、一番聞きたくなかった言葉が囁かれた。