「心!来てくれたんだー」


専門店街を歩いていると服を綺麗に畳んでいるあさみがあたしに気付いてくれた。

今時の若者が着そうな服がいっぱい置いてある。




値段も、

普通のブランドのお店よりもはるかに買いやすい値段で売ってある。

平日だけど

大学生らしき人が何人か服を見てて。



「似合うじゃん。ショップの店員」

あさみも可愛い服を着てる。



「心も。おばさんが買ってくれた服着て来てくれたんだ」

「まぁ……出かける時の服が欲しかったからちょうど良かった。
急いで抜け出して来たからパーカー羽織ってるけど」

もっと可愛いジャケットとか羽織って来たかったんだけど、そうしたら抜け出すのが看護師さんにバレちゃうし……



「そうだと思った。
でもパーカーでも十分似合ってるから大丈夫」



あたしの服装を見ながらニッコリ笑うあさみ。



綺麗にいつものメイクをしているあさみの顔を見ていて、

思い出す。

「あの……さ。あさみ」



「ん?」


「メイク道具貸してくれない?」



あたしの言葉にあさみは驚いた表情を見せてあたしの顔を見る。

「心、今メイクしてないの?」