“俺が勝ったら俺の言うこと聞け”


“お前に拒否権はねぇから”


一生の言葉が脳裏をよぎる。


一生と陸くんが走っているのに……


あたしは必死で一生の姿を目で追っていた。


そして、あたしは無意識のうちにこう叫んでいた。


「一生……――頑張って!!!!」


「なんだ、やっぱり一生くんが好きなんじゃん」


横でニヤニヤする愛を無視し、あたしはレースを食い入るように見つめた。